１０月１３日午前正午前、美杉観光バスが運行するクラブツーリズム号で横転事故が発生しました。乗客の女性１人が死亡、３人が重傷を負っています。また、運転手の野口祐太(のぐちゆうた)容疑者２６歳が逮捕されました。事故の原因やバスについて調査していきいます。
クラブツーリズムバス横転事故が発生！「運行していたのは美杉観光バス」
１０月１３日正午ごろ、富士山５合目につながる静岡県小山町の県道で大型観光バスが横転し、７０代の女性１人が死亡、３人が重傷となる事故が発生しました。
横転事故を起こしたバスは、旅行会社「クラブツーリズム」が主催する観光ツアーの移動中だったということです。「クラブツーリズム」から委託されバスを運行していたのは埼玉県飯能市の「美杉観光バス」で、この会社によりますと、静岡県内を回る日帰りツアーで富士山須走口の五合目を訪れた後、沼津へ昼食に向かう途中、事故を起こしたとみられます。
観光バスは、１３日午前６時半すぎに飯能市の本社営業所を出発。午前７時半ごろに西武新宿線・狭山市駅前などでツアー客を乗せ、富士山五合目に向かっていたという。小山町須走の通称・ふじあざみラインで観光バスが走行中に横転しました。バスには乗客、乗員合わせて36人が乗っていました。
警察は埼玉県飯能市の26歳のバス運転手の男を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕しました。バスを運転していた野口祐太(のぐちゆうた)容疑者です。野口祐太容疑者によると「ブレーキが利かなくなった」供述をしていることからブレーキの使いすぎて起きた「フェード現象」の可能性があるという。
クラブツーリズムバス事故の原因「フェード現象か」
小山町須走の通称「ふじあざみライン」で観光バスが横転しました。この事故の原因は、ネット上でフェード現象ではないかと言われています。フェード現象とはやその現象が起こりうるのか調査していきます。
フェード現象とは、自動車やオートバイなどで走行中に摩擦ブレーキを連続使用して、ブレーキの効きが低下することを言います。フットブレーキを使いすぎるとブレーキパッドが非常に高熱になり、摩擦材の熱分解で発生したガス膜がブレーキローターの間にはさまることで摩擦力が減り、ブレーキの効きが悪くなるのがフェード現象です。2013年に大分県で起きた大型観光バスの路外転落事故は、フットブレーキの多用によりフェード現象が起き、ブレーキが過熱して効かなくなったことが原因と警察は判断しました。過去にもあったようです。
また、新品のブレーキパッドでも同様なことが起こるようです。パット内からいろいろなガスが出てきて、そのガスが悪さをしてブレーキが効きにくい状態になることもあるようです。
フェード現象を起こさないようにするには、エンジンブレーキと併用するといいようです。急な下り坂や長い下り坂などブレーキを多用するところではエンジンブレーキをしようして、ブレーキになるべく負荷がかからないようにするとフェード現象の発生リスクは低くなると思います。大型バスなどはもともとの車体重量が重く、なおかつ人も大量に乗せます。ブレーキに負荷がかかるのは目に見えてわかるでしょう。
今回事故を起こしたクラブツーリズムのバスは、電動リクライニングシートや後部化粧台トイレなどの装備品によって定員３８名で、定員５８名のバスよりも約１トンも重いようです。
クラブツーリズムバスの仕様「独自設計した豪華安全機能付きバス」
埼玉県内から富士山や駿河湾などを巡るバスツアー中にクラブツーリズムの観光バスが事故を起こしました。クラブツーリズムのバスの仕様について調査していきます。
クラブツーリズムでも独自で設計したバス「新型クラブツーリズム号」を導入していました。三菱そふうトラック・バス社製で、バスツアーの品質向上と安全性・快適性を追及するためにバスメーカー、バスシートメーカーと共同で設計した。バスにはクラブツーリズムのロゴをラッピングしているのが特徴です。このバスは実際にクラブツーリズムが運行するのではなく、年間契約を行ったバス会社が運行するようになっているようです。座席は36席で補助席なし、全席シートに３点式シートベルトと観光バスとして初導入となるシートベルト装着システムとなっています。USBポートや空気清浄機・洗面台付き化粧室も完備しています。また、衝突被害軽減ブレーキや運転注意力モニター、車線脱線警報装置、車間距離警報装置など安全面の装備も充実している。クラブツーリズムでは、最上級のバス車両「ロイヤルクルーザー」外国人向けに導入されたバスのようです。
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